ACミランといえば、ヨーロッパサッカーにおいても実績があり、強豪と言われるクラブですが、2010年代あたりから衰退して、なかなかUEFAチャンピオンズリーグの舞台で見ることがなくなりました。なぜACミランは衰退してしまったのでしょうか?黄金期と合わせて紹介をしています。
ACミラン
ACミランはイタリアのロンバルディア州ミラノを本拠地とするプロサッカークラブです。ACミランは、インテル、ユベントスと並ぶイタリアを代表するサッカーチームで、セリエAではこの3チームがビッグ3と言われています。UEFAチャンピオンズリーグの優勝回数はイタリアのクラブの中では最も多い経験豊富なチームとなります。創設は1899年となるため、相当歴史のあるクラブと言うことになります。
愛称
チームカラーが赤であることから、ロッソネロ、ディアボロと呼ばれています。ちなみにサポーターはミラニスタと呼ばれています。
ベルルスコーニ
2023年に死去したベルルスコーニはまさに黄金期のミランを作ってくれた功労者といえるでしょう。1986年に彼はミランを買収した後、資金を次々と投じて有名選手を獲得し、ミランの黄金期を作りました。オランダトリオが活躍した時代でもあり、2000年代初頭のアンチェロッティ時代の黄金期を作りました。
財政悪化
栄華を極めたACミランでしたが、2010年代以降は低迷期を迎えています。これはFFP導入に伴い、財政の立て直しを余儀なくされたことにより有名選手の獲得が困難になったことで、成績が落ち込んだのです。だんだんUEFAチャンピオンズリーグの出場もできなくなり、セリエAでも中位に甘んじることとなってしまいましたが、2020年代に入り復活の兆しが見えてきています。
ミラノダービー
ミランとインテルによるミラノダービーは世界中で注目される試合です。この試合はいつも世界中のサッカーファンによってみられている試合です。イタリアではユベントス、ミラン、インテルがビッグクラブなので、国内でも国外でも注目度は極めて高い試合となります。
ACミランの黄金期
ACミランの黄金期といえば、以下の2つになるでしょう。おそらくセリエAのファンであれば、いずれの時代もよく覚えているはずです。
1987-1991
黄金期のミランはアリーゴ・サッキとともに始まりました。当時無名のこの監督を連れてきたのは上記でも説明したベルルスコーニ。サッキのプレッシングサッカー戦術は当時のサッカー界に衝撃を与えました。先進的な戦術だけでなく、PSVAからフリット、アヤックスからファン・バステン、さらにはライカールトが加入し、オランダトリオが形成されました。守備陣はイタリア人で固め、スクデットを獲得し、さらにはUEFAチャンピオンズカップを2連覇、さらにはトヨタカップでも勝っています。まさに敵なしの黄金期を作りました。しかし1990-1991シーズンでサッキが退任することで、一時代は終わりを迎えます。1996年以降は完全な過渡期に入り、低迷する時代を迎えました。
2000-2007
再度ミランがヨーロッパサッカーの最上位クラブとなったのは2000年代の初頭からでした。2001-2002シーズンはいまいちな結果でしたが、アンチェロッティが就任することで流れが変わりました。今までトップ下であったピルロをレジスタとして起用する戦術が大当たり。さらにはルイコスタを押しのけてカカが大活躍、ウクライナ人アタッカーのシェフチェンコを軸として、2002-2003シーズンはUEFAチャンピオンズリーグ優勝。2006-2007のUEFAチャンピオンズリーグも優勝しました。2003-2004シーズンはスクデットも獲得しています。この年代はUEFAチャンピオンズリーグで最も安定した成績を収めていたのは間違いなくミランです。
ACミランが弱くなった理由
ACミランは2010年代に入り急速に衰退していきました。これはどのような理由があるのでしょうか。
FFPの導入
ACミランはベルルスコーニの豊富な資金で放漫経営をしてきました。彼のおかげでクラブは黄金期を迎えましたが、FFPの導入のおかげで、健全経営を求められました。クラブオーナーが私財を投入して、金銭的補填をするという手段が使えなくなり、以前と比べ選手獲得にお金を使えなくなってしまいました。これにより有力選手の獲得が困難になってしまったのです。ACミランはベルルスコーニの道楽チームのような環境でしたので、決して理想的なクラブとは言えなかったのです。
プレミアリーグの台頭
2つ目の理由としてはプレミアリーグの台頭です。プレミアリーグの台頭によって金にものを言わせる補強戦略を取るようになり、セリエAは有力選手の獲得に困ることになりました。資金力に劣るセリエAにはだんだん有望な選手が来なくなってしまい、結果的にリーグの衰退へとつながっていってしまったのです。
世代交代の失敗
最後の黄金期は2006-2007でしたが、高齢化が問題視されていました。それにもかかわらず、世代交代に着手せずにいたのです。そこで世代交代に踏み切ったのが2010年代でしたが、現主力選手をまず放出してしまい、その後に若手選手を獲得するという戦略を採用してしまいました。これによりチームの骨組みが出来上がらず、チームは右往左往してしまったのです。
新人監督の起用
落ちぶれてしまったチームを立て直すというのはとても困難な作業であり、ベテラン監督でも簡単に立て直すことができません。それにもかかわらず、ミランは新人監督を起用していた時期もありました。結果は言うまでもなく失敗。落ちるところまで落ちてしまったのです。
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