イタリアリーグのトップリーグであるセリエAはかつては世界でも最高のリーグと呼ばれていました。黄金期はいつまでも続くわけではありませんが、それにしても落ちぶれてからというものの、なかなか上昇する兆しが見えてこないのが実態です。どうしてセリエAは不人気になり、落ちぶれてしまったのでしょうか?
セリエAとは?
セリエAは1898年に創設されたイタリアのプロサッカーリーグです。セリエAはフランス、イングランド、スペイン、ドイツと並んで世界の5大プロサッカーリーグです。大会方式は20クラブによるホームアンドアウェー方式で戦います。勝利クラブに勝ち点3、引き分けの場合には両クラブに勝ち点1が与えられ、最も勝ち点の多いチームが優勝です。複数のクラブの勝ち点が同一の場合には、得失点差などに関係なく同順位となります。
コッパ・イタリアとは?
イタリアには普段のリーグ戦に加えてコッパ・イタリアと言うカップ戦があります。セリエAのクラブだけでなく下部のクラブも参加できるカップ戦となり、波乱が起こりやすいため人気です。1試合で決着をつけるトーナメント方式となっていて、90分で決着が付かない場合は延長戦を行い、それでも続く場合はPK戦で決着をつけるスタイルです。
スーペルコッパ・イタリアーナ
スーペルコッパ・イタリアーナはイタリアのスーパーカップになります。大会形式は、セリエAの前シーズン優勝チームとコッパ・イタリアの優勝チームが一発勝負をします。いわば開幕前の前哨戦のようなもので、新シーズンを前にファンが胸を躍らせる中試合が行われます。
セリエAの歴史
セリエAは以前はとても強いサッカーリーグでした。しかしなぜ、没落していったのでしょうか?その歴史を簡単にまとめましたので、見ていきましょう。
1900年代初頭から後半
セリエAはユヴェントス、ミラン、インテルのビッグ3に加え、ジェノア、ローマ、フィオレンティーナ、ラツィオ、ナポリ、サンプドリア、トリノ、ボローニャなどの中堅クラブが絡んでくるという構図が出来上がっていました。この流れがずっと続いていたのですが、1990年代になると、リーグの構造が大きく変わる事件が起こるのでした。
1990年代
1990年代中盤より、放映権の高騰、そしてボスマン判決による外国人選手獲得の自由化による恩恵を受けることになります。ここからはユヴェントス、ミラン、インテル、それにローマ、フィオレンティーナ、パルマ、ラツィオというセブン・シスターズとも呼ばれるビッグクラブグループが構成されるようになったのです。カルチョビジネスの拡大バブルに伴い、大型補強を行って優勝争いに加わりセリエAは全盛期を迎えたのです。
ビッグクラブの没落とユベントスの降格
2000年代初頭まで強勢を誇ったセリエAは徐々に勢いを失いました。プレミアリーグの台頭と、2010年代に導入されたFFPによりミランとインテルは没落。オーナー経営だったインテルとミランはFFPの影響が強かったのです。そしてユベントスは八百長により降格になったのです。カルチョ・スキャンダルによって、観客数の低下、世代交代の失敗も相まって、結果的にはリーグレベル低下と代表チームの弱体化に繋がり、暗黒時代を迎えたのです。
2010年代
2010年代はセリエAに復帰したユベントスの1強時代となり、セリエAに魅力があまりなくなりました。しかしそんななかリーグを盛り上げたのはローマとナポリです。この年代はこのチームがユベントスと競り合うことで、セリエAを盛り上げていました。その一方で、従来のビッグクラブであるミラノ勢は浮上する機会がまだ見いだせていませんでした。
ミラノ勢の復興?
長い間落ち込んでいたミラノ勢ですが、2020年代に入って復興の兆しが見えてきました。オーナー交代を経てフロント陣が刷新されチーム強化体制が改善されるようになり、徐々に強さを取り戻し始めています。2021-2022シーズンにはミランがスクデットを奪還し、インテルは2022-2023のUEFAチャンピオンズリーグの決勝まで進んだのです。これからセリエAは復興できるのでしょうか?
セブン・シスターズとは?
1990年代から2000年代の初頭まで、世界最高峰のリーグと言われたセリエAはセブン・シスターズと呼ばれる7チームの群雄割拠リーグでした。セブン・シスターズとはユヴェントス、ACミラン、インテルと、ローマ、フィオレンティーナ、ラツィオ、パルマの7つのクラブのことです。ユヴェントス、ACミラン、インテルは従来のビッグクラブでしたが、ローマ、フィオレンティーナ、ラツィオ、パルマが台頭し、当時の世界で最も厳しいリーグになりました。ただし2000年代半ば以降、フィオレンティーナ、ラツィオ、ローマ、パルマは多額の負債を抱え、主力選手放出で衰退しました。
ラツィオ
ラツィオはローマの拠点を置くプロサッカーチームですが、それ程タイトルを取っていない人気もそれほどないチームでした。しかしラツィオは食品メーカー大手チリオのセルジョ・クラニョッティによって大型補強を行い、急激に強くなったのです。それにより、優勝を争うほどのチームになりましたが、その後は緊縮財政により中位に定着するチームとなりました。
ローマ
ローマはもともとイタリアのビッグ3に次ぐチームとされていましたが、センシ会長のもとで大型補強をして強くなりました。さらにはローマの象徴ともいえるフランチェスコ・トッティが全盛期だということもあり、セリエAの強豪として定着しました。その後は衰退しましたが、2010年代再度復興し、チャンピオンズリーグの常連チームになりました。
フィオレンティーナ
フィオレンティーナはもともと強豪ではありませんでした。しかし映画製作者のマリオとその息子ヴィットリオ・チェッキ・ゴーリによって大型補強を行うようになり、強豪チームとして認識されるようになりました。
パルマ
パルマは食品メーカー大手パルマラットのカリスト・タンツィの元で莫大な資金を投入し、急激に強くなったチームです。しかしパルマの場合は、その後没落が著しく、2部リーグへの降格も経験している古豪と言う位置づけです。
セリエAが落ちぶれてしまった理由
セリエAは以上のように栄華を極めていましたが、今では大きく衰退してしまいました、なぜ落ちぶれてしまったのでしょうか?それは以下のような理由があります。
スタジアムの老朽化
セリエAの生中継を見ていると、いつも観客席がガラガラだと思いませんか?セリエAのスタジアムは回収を重ねているのですが、スタジアムが古いため設備の質が劣り、環境は劣悪です。そのため観客が足を運ばない傾向が見られています。クラブチームもお金を出して改修はしているものの、全盛期ほどの収入がないため、なかなか大規模改修ができません。
観客席とピッチが遠い
セリエAの観客離れが生まれている理由の一つは観客席とピッチが遠いということ。ほとんどのスタジアムはサッカー専用ではなく陸上トラックがあるため、とても遠いのです。高いお金を払っても席が見づらいのならお客さんはスタジアムまで行こうとは思いません。そのため客離れが起こってしまっているのです。
相対的な地位低下
2000年代はプレミアリーグが莫大な資金で有力選手を買いあさっていったり、レアルマドリードやバルセロナが史上最高の選手であるメッシやロナウドを抱えていたということもあり、セリエAに行きたがる選手は減りました。さらにカルチョスキャンダルもあったため、汚いイメージも定着し、有力選手がスペインやイングランドへ行く形が当たり前になったのです。そして戦力不足で他のリーグと戦えなくなったのです。
資金不足
以前のセリエAには、放映権料と言う収入減がありましたが、のちにプレミアリーグによって顧客を奪われてしまい、資金力は大きく減りました。今では放映権収入はセリエAはプレミアの半分以下です。それでは有力な選手も集めることが難しくなってきているのです。いまではパリサンジェルマンやマンチェスターシティのような金にものを言わせるようなチームには太刀打ちできない状態にあります。
有望なイタリア人がいない
有望なイタリア人がいないというのもセリエAの没落に関わっています。全盛期のセリエAでは世界トップレベルのイタリア人選手が多数いましたし、ワールドカップ、ユーロでも優勝を狙えるチームでした。しかし2006年のワールドカップ優勝を最後にイタリアは国際舞台で勝てなくなっています。イタリア人主体のセリエAのチームも同様に苦しんでいるわけです。
復興の兆し
ただし近年はミラノ勢を中心に復興の兆しが見えてきています。FFPの影響を受けてリーグで低迷していたインテルとミランはフロント改革をしたのです。インテルはジュゼッペ・マロッタをCEOに招聘し、ミランはクラブOBのパオロ・マルディーニを招聘して改革をしたのです。これもあって2020年代は両クラブとも上向きで、UEFAチャンピオンズリーグでも上位進出、リーグ戦でも上位に食い込むようになりました。セリエAは変わる可能性があります。
セリエAを生観戦しよう
セリエAは世界のトップリーグの一つになります。色々な動画配信サービスで生中継をしていますので、ぜひ観戦をしてみましょう。
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